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8月12日から台湾で公開になった映画「翻滾把!阿信」の林育賢(リン・ユーシェン)監督と俳優の柯宇綸(クー・ユールン)に、台北電影節閉幕後にインタビューしました。
台北電影節ではオープニング作品であり、観客賞とメディア推薦賞、柯宇綸(クー・ユールン)が助演男優賞を獲得するという素晴らしい結果でした。
この後一般公開に向けても様々なPRイベントが行われ、この夏の一連の台湾映画群が一丸となって国産映画を盛り上げようと、いま、台北はまさに“熱い夏”です。



林育賢(リン・ユーシェン)監督の名を一躍有名にしたのは、2006年の「ジャンプ!ボーイズ」の成功で、この作品は実兄である体操選手林育信(リン・ユーシン)がコーチとなって少年達を育成している日々を描いたドキュメンタリーです。
そして、この育信(リン・ユーシン)=阿信の青春時代を描いたものが今回の「翻滾把!阿信」。家庭の経済状況によって好きな体操を諦めざるを得なくなった阿信が、宜蘭で家業を継ぎながら喧嘩三昧の日々を送るうち、トラブルに巻き込まれて故郷から親友と二人で逃亡。台北での荒れた生活の末、親友を失った阿信は一切のケリをつけて体操の世界にもどる決心をする・・・というストーリーです。


柯宇綸(クー・ユールン)は、台湾映画をよくご覧になる方なら“あ、見たことある!”という個性的なバイプレーヤーです。
お父さんが有名監督で、子役からスタートし、「牯嶺街少年殺人事件」にも出演、今年春に日本でも公開された「台北の朝、僕は恋をする(一頁台北)」の不思議な不動産屋、「ラスト、コーション」ではヒロインの“最初の相手”になる役でした。
今回の“菜甫”という役は助演男優賞獲得は当然、彼の代表作となるほどの素晴らしい演技です。

インタビューを行ったのは、プロデューサーである李烈(リー・リエ)さんのオフィスの会議室でした。
林育賢(リン・ユーシェン)監督は「ジャンプ!ボーイズ」が日本で公開された時に来日しているので、久々のインタビューになります。
柯宇綸(クー・ユールン)と初めてでしたが、映画よりも生の声はもっと素敵、そしていい人。その上通訳の西本さんが旧知の仲なので、とてもリラックスした雰囲気での取材でした。
二人は監督と俳優というだけでなく、古くからの良き友人ということで、インタビュー中もお互いに突っ込んだり、通訳している間にはひそひそ話しをしたりと、やんちゃな男の子二人・・・みたいなところもありました。


しかし、映画の製作の経緯を伺うと、とてもドラマチックでした。
監督は「ジャンプ!ボーイズ」の成功の後、初の長編劇映画「六号出口」を制作しますが、興行的に失敗して2000万台湾ドルの負債を抱えることに。借金を返済しながらも映画への情熱は消えることなく、実兄の青春時代を描いた作品の映画化に向けて脚本を書き始めました。
この「翻滾把!阿信」の脚本を書いている時に、すでに柯宇綸(クー・ユールン)をイメージキャスティングしていて、実際に打診したところ「こういう役を待っていた!」とこの段階で即決。
主役の阿信を演じたのは彭于晏(エディ・ポン)ですが、体操選手にしては身長が高すぎるという懸念があったり、丁度事務所との契約問題で俳優としての今後に暗雲が立ちこめていたものの、連絡したら「ぜひやりたい」ということで決定したそうです。
そして、林育賢(リン・ユーシェン)監督は33回書き直した脚本を持って李烈(リー・リエ)プロデューサーを訪れ、映画化に向けて具体化していったのです。
様々な紆余曲折を乗り越えて完成した「翻滾把!阿信」ですから、監督が初上映の時や舞台挨拶などでしばしば感涙にむせぶのは当然のことでしょう。

この他、興味深いお話を沢山お聞きしましたので、更新日を前倒しして公開初日の今日から前編を、8月22日から後編をPodcast配信します。ぜひお聞き下さい。

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